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青森、沖縄、グァテマラ、岡山で生活してきたカフェ好き主婦の自由なブログです。


by tyukita
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芸術家になりたい

芸術家とは、ポンプのようなものだ思う。
自らの内に流れるものを吐き出さずにはいられない。

ポンプの力が強いほど、多くのひとに行き渡る。

流れる水が澄んでいれば、人々を健康にする。

流れる水が濁っていれば、人々を病気にする。

概して、人々は、そのポンプの強さばかりを評価して、水の成分を忘れがちだ。
芸術家は、自分のポンプの強さ(影響力)を見過ごし、水を流すことばかりに夢中だ。

文化とは、芸術とは、一見生産性の低いもののように思えるが、地下水路に流れる水の如く、人間が暮らすにあたってその影響力の大きさははかりしれない。だからポンプの力を強めんとするなら、その水を清くするべきだ。濁った水は、身内だけで流せばいい。無作為に流すべきじゃない。飲んだ瞬間潤っても、じわじわと大変なことになってゆくのだから。
気持ち悪い絵画、写真、オブジェ、音楽、建築etc…は本当に不快だ。作家はそれですっきりでいいかもしれないけど、世に出そうとするなら無責任だ。美的感覚はひとそれぞれ、なんてレベルではなく、もっと根底的な、普遍的な話。良いものは良い。善いものは善いんだから。

美術館ていうのは、どの水を流すか、何を美の基準にするかは収蔵品でもって示すしかないと思うのだが…。その点、『大原美術館』は本当に素晴らしかった。画家であり、収集家であった児島虎次郎さんの画力と審美眼も卓越しているし、優れたものを世に出したスポンサー・大原孫三郎さんの意識の高さにも敬服する。本当に素晴らしかった。ふたりの偉人を知れただけでも、大収穫だ。
by tyukita | 2006-10-30 02:05 | 人生設計